そこまでバラさなくていい……

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「あっ、でも、すみません。  お隣さんいたとは知らなくて。  今朝、すごいいびきで」  そう言うと、錦は何故か微笑ましげにこちらを見る。 「素敵な彼女さんですね」 と錦は高秀に言った。  いびきが素敵なのだろうか……? 「彼氏さんのいびきにキレずに、代わりに謝ってくれるだなんて」 「いえ、あれは私のいびきです。  すみません」  錦はなにを言われたのかわからないようだった。  今、そこに(たたず)んでいる砂月といびきの間に、なんの関係性も見出せなかったらしい。  だが、高秀は不快そうな顔をする。
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