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「あれ話せばよかったじゃないか、ほら。
お前が食洗機に向かって手を振ってて、中になにがいるんだと俺が思った話」
迎えに来てくれた高秀がそんなことを言い出す。
迎えにと言っても、歩いて迎えに来てくれたのだが。
高秀も高校の友人と近くのホテルで呑んでいたらしい。
結婚式の出し物の話などしていたようだ。
せっかくなので、二人で海岸を歩く。
嘉子は彼氏が迎えに来て、早々に帰ってしまっていた。
「あれは、食洗機に手を振ってたんじゃなくて。
これ、洗ったあとなのかな?
詰めてる途中? って思って、手を振って、食洗機内の温度を確かめようとしただけな……」
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