そこまでバラさなくていい……

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「そういうわけではないですが」 と砂月は苦笑いして言った。 「そういえば、宮澤さんに、高秀先生、意外に独占欲強そうだから、気をつけた方がいいですよ、と言われました。 『もう首に鎖つけてるしっ!』って」 「……いや、ネックレスだろ」 と言われ、砂月は笑う。  高秀にネックレスをプレゼントされ、最近は、ずっとつけているのだ。  だが、もちろん。  高秀はそんな気が利くわけもなく。  母親に、アクセサリーのひとつもプレゼントしてないなんてっ、と言われて、ようやく気づいたらしいのだが。  でもまあ、そんなところも好きだ、と砂月は思う。  女性にマメな人は、他の女性にもマメそうですしね……。 「独占欲強いのは嫌か?」 と言いながら、高秀が手をつないでくる。
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