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「い、今は嫌じゃないです」
照れてそう言ったのだが、高秀は、『今は』という言葉に、何故か、衝撃を受けていた。
「あー、いやいや。
たぶん、これからもずっとっ」
と慌てて付け足したが、
たぶんっ、とまた衝撃を受けている。
高秀先生ほどの方が、何故、私の言動にいちいちビビるのですか。
私の方が、先生がいつか他の人のところに行ってしまうんじゃっ、と焦らねばならない立場ですよっ? と砂月は思う。
「……喉乾きましたね。
なにか買って帰ります?」
話題をそらすように、砂月はそう言った。
「そうだな」
「あ、あの~。
手をつないだまま、コンビニ入るの、恥ずかしいんですけどっ」
「大丈夫だ。
入ったら、離す」
と言って、高秀は、より強くぎゅっと握ってくる。
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