680人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「おはよう。
朝食か。
手伝おうか」
そう言いながら、高秀は思っていた。
付き合いはじめは可愛く見えるというが。
こんなにも可愛く見えていいものだろうか。
心臓が止まりそうな笑顔だった、と。
小さな窓から差し込む光の中、レタスを手に微笑む砂月に見惚れながらも、布団を片付け、砂月に料理の手伝いを申し出る。
「あ、いいですよ、先生。
私がやりますから」
「二人でやった方が早いだろう。
ああ……かえって効率悪いか?
掃除でもしようか」
あ、すみません、と言いながら、キッチンで不器用に野菜を切っている砂月の背を見る。
最初のコメントを投稿しよう!