そこまでバラさなくていい……

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「……宿題やってたのか」 と高秀は、その手元を見ながら言う。 「お前も英語の宿題で、レッドソックスを赤い靴下とか訳すのか」 「そんな莫迦なこと書きませんよっ」  うっ。  高秀は、チラと砂月の方を見ながら、 「お前は今、砂月からの愛を失った」 と言う。 「なんの話ですかっ。  待ってください、先生っ」 とよりたまさのぶくんは、診察室に入っていった高秀を追いかけていった。 「先生、おとなげない……」 と酒井が苦笑いする。  高秀先生の病院は、今日も平和だ――。                         完
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