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二人で迎える朝は初めてではないが。
まだなんか照れるな、と思いながら、高秀はコードレスの掃除機を手に言う。
「隣の人はまだ寝てるかな」
「お隣は空室ですよ」
確か、飛翔のおばさんたちの家はここではない。
左隣のうちのマンションは防音がしっかりしているから、掃除機かけても大丈夫か、と掃除をはじめる。
軽く掃除機をかけて、片付けながら、高秀は言った。
「そうだ。
今朝、何故か怪獣が唸り声を上げながら、街に迫ってくる夢を見たよ」
あはは、そうなんですか、と砂月は笑う。
「いびきのようにも聞こえたが」
「ああ、じゃあ、私のいびきですかね」
砂月は自らそう言い、ハムエッグと野菜を可愛く盛ったプレートを手に振り返った。
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