そこまでバラさなくていい……

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   それより、一日くらい前。  宮澤は真面目に仕事をしていた。 「ここ、急な転勤でお引っ越されて、ちょうど売りに出てるんですよ。  素晴らしい住環境です。  ……ちょっとお隣に問題がありますが」  宮澤は(にしき)という大学生に、高秀のマンションの高層階の部屋を案内していた。  海外から帰ってくる錦の両親が、新しくマンションを買いたいらしく。  息子に部屋を探させているのだ。  スマホのテレビ通話で母親も今、一緒に部屋を見学している。 「あら、いいじゃないの。  ここにしなさいよ」  ルーフバルコニーからの眺望をスマホの中から確認した母親が言う。
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