雨のち雨の街

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「・・潤、ご飯よ」 背後からふっと母親の声が湧いてきて 慌ててラップトップを閉じた。 「潤たら、また見てたの? 雨は止まないからいいのよ」 「わかってる」 そう言いながら この街に雨上がりが来たらどんなに素敵だろうと 想像せずにはいられなかった。 夕食後、パソコンを開くと 博士からコメントが届いていた。 「潤、これは提案なんだけど  雨雲を払う装置を開発中で実験する地域を探している。  潤の地区に行ってみようかな?」 と、いうものだった。 「博士!すごいよ!僕の住所は・・」 なんの躊躇いもなく住所を送る。 「僕の街に雨上がりがくる・・!」 この雨が上がる。 生まれて初めて見る雨上がりは どんなものなんだろう・・ 今まで見た数々の映像を思い起こしては どんよりとした街に降り注ぐ雨の雫を眺め まだ見ぬ雨上がりの様子に想いを馳せるのだった。
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