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「斎木課長? 確か……36とかいってたかな」
「36?! 見た目若いですね」
「だよね。でもね、あの見た目に騙されちゃダメよ」
「というと?」
「中身は年相応におっさんくさいんだよねぇーやる事なす事」
「はぁ」
「所詮見た目だけだから、課長は」
その日の仕事終わり、三内さんに飲みに誘われアルコールを仰いでいた。ひとつ歳上の三内さんは入社二年目にして会社内の様々なゴシップネタを知り尽くしていた。
「営業に伊藤っていう人がいるんだけどその人には気を付けてね! 妻帯者の癖に浮気OKとかいっているような最低クズ野郎だから」
「はぁ……」
「それに人事の谷岡さんも要注意! 50過ぎても独身で社内で必死に嫁探ししているような人だからさ、ちょっとでも甘い顔を見せると気に入られちゃうよ」
「肝に銘じておきます」
別に訊きたくもないことを次々と披露されて私はただ適当に相槌を打つしかなかった。
「ってかさ、香村さん、本当にジュジュじゃないの?」
不意に真顔になった三内さんが私の顔をジッと見た。
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