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「香村さん、本っ当~~~に似てるよ、ジュジュに」
「……」
「なんか学業専念するっていって突然読モ止めたらしいけど、そういうところも香村さんと条件似ていない?」
「そんな……似たような女子大生なんて世の中にごまんといますよ?」
「そぉだけどさー」
「三内さん、酔っているでしょう? そろそろ帰りましょう」
「えぇーまだ早いじゃん。どうせ明日休みなんだしー」
「いいから帰りましょう」
私は「酔っていない」と言い張る三内さんをタクシーに乗せ見送った。
「……ふぅ」
悪い人ではないと思うけれどあの話をする内はあまり積極的にお付き合いしたいタイプではないと思った。
(というかそんなにバレバレなのだろうか?)
通りすがりのお店のガラス窓に映る自分の顔を見つめる。
(ジュジュ……かぁ)
20代前半女性をターゲットにしたファッション雑誌【KILA】の専属読者モデルだったジュジュ。
女子大生という肩書とジュジュという名前のみの情報しかなく、でもそのミステリアスな美貌、スタイル、それらは他の読者モデルとの格の違いは一目瞭然だった。
ジュジュが紙面を飾る度に雑誌の売り上げは上がった。そんな人気を芸能関係者が見逃すはずもなく、ジュジュの元にはテレビ出演オファーや芸能事務所への勧誘などがひっきりなしに来た。
しかしその頃を境にジュジュの露出は減り、とうとう学業専念のためという理由であっという間に紙面から消えたのだった。
(一年前のことなんだけどなぁ……まだ覚えている人がいたんだ)
そう、三内さんの予想通りジュジュは私、香村寿々子の仮初の姿だった。
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