第二章 嫉妬深い彼

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私が呆気に取られている間に軽くキスされて驚いた。 「き、岸岡さんっ」 「ねぇ、先刻喋っていた男、誰?」 「え」 「其処で喋って別れた男」 「あ、あれは課長です。勤めている部署の上司で」 「上司とあんなに親しげに喋るんだ」 「親しげ、でした?」 「傍から見たらね」 「……」 (もしかして……やきもち妬いているの?) 岸岡さんは柔和な表情をしているけれどそこには少しよくない感情が練り込まれているように見えてしまった。
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