第三章 優しい上司

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ズキンと痛む頭痛を何とかしたくて鎮痛剤を飲もうと立ち上がった。するとテーブルの上にメモが置いてあるのに気が付いた。内容を読んだ瞬間、冷や水で私の全身がずぶ濡れになった気がした。 【鍵はポストに投函しておきました 斎木】 「な……なっ、何これっ?!」 鍵?! ポスト?! 慌てて玄関に向かいドアに備え付けられている細いポスト受けを開ける。チャリンと鈴の音を鳴らして部屋の鍵が落ちた。 「な、なんで……って、まさか!」 それはどこからどう考えてもそうとしか考えられなかった。昨日、酔った私を課長は家までつれて帰ったのだ──と。
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