第一章 腐れ縁の彼

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容易く滑り込んだ彼の熱はあっという間に私の最奥に辿り着き其処をトンッと擦った。 「っ!」 「んんっ……寿々、まだイクなよっ」 パジャマを着たままのうえ布団を被っている中での行為。彼の腰が動けば動くほどに汗ばみ暑くなる。 「なぁ……布団、取っ払っていいか」 「ダメッ! 絶対に取らないで!」 「んだよ……あぁ、でもマジおまえん中、最高っ」 「……」 顔を突き合わせている状態で布団の中では彼の欲望が私の中を盛大に蹂躙していた。 ──そう、私とセックスするというのはこういうこと。 服を着たままで必要最低限の露出でする酷く閉鎖的な行為だった。 (誰も……誰も私の裸を見ないで!) 持って生まれた美貌。人が羨む容姿をしているだろう私の誰にもいえない酷いコンプレックス。 それが私を雁字搦めにして恋愛事に対して内向的に仕向けているのだった。
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