雨の日の約束

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「うわ、降ってきちゃった……」 今日の天気予報で雨なんて言ってなかったじゃないか……と、あたしは仕方なく走って会社方面へと向かう。 上着も何も持ち合わせてないので、少しでも小ぶりなうちにと走ってみる。 その間にも雨は勢いを増していき、公園が見えた頃は大粒の雨へと変化していた。 「……最悪だ」 ふぅっと息をつき、公園の中をみると小さい子が遊ぶ小屋が目に入った。 もうこれ以上雨の中で移動なんかできそうもなく、あたしはその小屋の中に入って雨宿りをすることにした。 「……おっと、先客か」 カバンの中に入ってるハンカチで濡れてしまった服を拭いていると、頭上から少し低めの声が聞こえる。 「入ってもいい?」と聞く彼も恐らく雨宿りをしにきたのだろう。 「……どうぞ」 ここはあたしの場所でもないので、すこし右に寄ったあたしに「サンキュ」と一言呟いてからあたしの横へと座る。 子供用の遊具なので、そんなに広くはなく、大人2人……それも男の人が入るとなると自然と肩がくっついてしまう。 でもこれは緊急事態だし、この人が少し怖そうな顔をしているけど、きちんと確認やお礼が言える人だからきっと悪い人ではないんだろう。 でも、あまり男の人が得意ではないあたしは結構緊張してしまう。
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