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《ボクたち天使は、人間に定められた運命を変えられない。……けど。天使の羽を持つ彼女なら、キミの運命を変えられるかもしれない》
『……どう、いう意味だ?』
《天使の羽を拾った者が強運の持ち主なら、願いをひとつ。叶えることができるんだ。前に神様から、そう聞いたことがある》
願いを……?
《彼女はおそらく。天使に会った経験があるんだろうね?》
『っ星伽が?』
《……いるんだよ。人間の子供の中には、ときどき天使を見ちゃう子が》
天使がそう言った途端。彼がそれまで手にしていた僕の死亡者リストが、青い炎を上げて忽然と消えた。
《……次は助かるといいね?》
それじゃあ、また、と言い残し、天使はすうっと居なくなった。
月明かりのみの暗い部屋が、彼女を中心として光の渦に吸い込まれていく。
そこから先のことは覚えていない。
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