ep4.リングをひろって

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 ハテナで埋め尽くされた脳内が、即座に反応を示した。なじみのある声は、私が大好きでたまらない人。 『湊……なんで?』  振り返った先に立つ湊に話しかけた。彼は私を指差し、怪訝な顔をしている。 「なんか今、いきなり現れた気がしたんだけど?」 『そ、そう?』  事情を説明できずに言い淀む。 『てか、湊って実は霊感あったんだね?』 「はぁ?」  いまいち噛み合わない会話に、若干の間が空いた。  湊がバツの悪そうな顔で頭を掻く。 「俺は。昨日の指輪が、気になったって言うか」 『え』  それじゃあ、私と同じ理由で探しに来たってこと? 「お、お前こそっ、別れる、とか言っておいて。指輪探しに来たんだろ?」 『……ん』  それ以上の言葉が思いつかず、ただ深く頷いた。 「澪は。思い込みだけで、すぐ突っ走るけど。俺はそういうとこも好きなんだよな」  ほんのりと頬を染めた湊が私に近づき、手を伸ばした。 『っストップ!』  私は慌てて声を上げた。 「な。なんだよ?」  彼の手が、私の姿をすり抜けてしまうのを想像し、眉を寄せた。
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