ep4.リングをひろって

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 ◇ 現在.4 「っ澪、大丈夫か!? 俺のこと、分かる??」  重い瞼を持ち上げると、心配そうに目を赤くした湊が視界の中にいた。 「み、なと」 「っ、良かった」  彼は眉を下げて大袈裟に安堵した。 「あ、おばさんはさっきコンビニに出たとこだから、じきに戻るよ。とりあえずこれ。ナースコール押しとくな?」 「……うん」  私。なにがあって、こんな状態に?  病院らしき白い空間に視線を漂わせ、吊り下げられた点滴のバックを見つめる。思考が徐々にクリアになっていく。 「っあ、指輪!」 「え」 「昨日の指輪っ、探しに、行かないと!」  回想が昨日と今朝に留まり、そのままの状態で起き上がろうとした。途端に眩暈と鈍痛に襲われ、再び枕に倒れ込んだ。 「だ、駄目だよ、澪! まだ寝てなくちゃ」 「でも、指輪」  目頭が熱くなり、視界がゆっくりと滲んでいく。 「指輪なら、ここにあるから」 「えっ」  ほら、と言って彼が手の平に載せたシルバーリングを見せてくれる。見慣れたそれは、いつもの鈍い輝きを放っていた。 「湊、探してくれたの?」
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