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前園 美晴 1
また選外だった。当然か。
今朝発売の漫画雑誌、月刊MOCHAを閉じて、しょんぼりと肩を落とした。深く深く、ため息がこぼれる。
当然か、と一度思ったものの、いったい何がどう悪かったのか、私にはてんで分からない。
この漫画を投稿するまえに、三人の友達にも見せたし、部長先輩や部活の顧問にも読んでもらった。その上で原稿にしたのに、いったい何に問題があったのだろう。
「美晴〜」
向かい合わせの席から声をかけられる。隣りのクラスであり、同じエンタメ部に所属する親友のキョンちゃんが、困った様子で首を傾げた。私は深刻な表情を崩さず、小さく首を振った。駄目だったと彼女にも伝わったはずだ。
放課後。部活動の時間をつかって、先々月に投稿した漫画の結果をチェックしていた。月刊MOCHAは、今朝、最寄駅のホームにあるキヨスクで購入した。さすがに高校の授業時間や休み時間でさえも、漫画雑誌を堂々とめくる勇気はなかったので、放課後になるのを今か今かと待った。
運命の結果やいかに、とドキドキしながら件のページを開いたのだが、私が名乗るペンネームはどこにも存在しなかった。
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