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キョンちゃんが画面をスクロールしながら、何の気なしに独りごちる。そして「あ、和倉華の連載は決まってるって!」と続け、「よかったな、美晴」と私に笑みを見せた。うん、とつられて微笑み、顎を引いた。
同雑誌の売れっ子作家、和倉華先生は、私が敬愛する漫画家さんだ。毎回斬新な発想で読者を楽しませてくれる。
私もそんなベテラン作家になれたらなぁ、と夢想する。和倉先生の漫画を読むたびに、彼女の才能を羨み、憧憬の念が強くなる。
だからこそ、描かなければいけない。夢を実現するためには、諦めずに何度も何度も挑戦し続けなければいけない。
とは言え、次はどうしようかと悩む。しばらく、頭を休ませた方がいいのかな。考えても考えてもストーリーはありきたりだし、絵だってまだまだだ。
もっともっと、色々なアイディアを吸収して、勉強しないといけないのはわかっている。けれど、そもそも色々なで表す曖昧な部分が不透明でわからない。絵やストーリー展開に加え、漫画家は知識と教養も必要だ。
私はと言えば、なりたいと思っているだけで、この大まかに表す教養が足りていない。元々、頭は良くない方だと思う。雑学のために気になるジャンルで本を借りて読むけれど、遅読の上に中々内容を理解できない。
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