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さようで。出て行けずに部屋に留まるしかなかったのを、心底申し訳なく思う。
「七時か……。とりあえず朝ごはん食べに行かなきゃ」
花純さんは時計を見たあとポツリと呟いた。マイペースにそのままTシャツを捲ろうと手を掛ける。彼女の白い腹部がチラッと見えた。
『わぁああっ!!』
僕は咄嗟に声を上げた。両手を振って花純さんの動きを制する。なに、という目で見られた。
『あの。着替えるんなら、言って下さい。オレ離れてますから……』
「そう? 別に構わないんだけど」
変な子ねぇ、と呟き、花純さんは服を手に脱衣所に向かう。
いや、変なのはあんただ!いくらオレが幽霊でも、子供でも、他人だし、第一男子だし! うっかり裸を見られても大丈夫って、一体どんな神経してるんだ??
仮にも……。花純さんの胸は大きい、し。そう考えて恥ずかしいなと思った。
若いお姉さんの裸を想像してこんな気持ちになるなんて、僕はかなりスケベかもしれない。
「着替え終わったよー? あれ? ゴウくん大丈夫?」
僕は四つん這いになり、大袈裟に落ち込んでいた。花純さんに顔を覗きこまれ、『大丈夫です』と若干ふてくされて答える。
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