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「今、ミハルちゃんが大変な状況なのも理解してるし、きっと親御さんも心配してるだろうなって思う。こんなのミハルちゃんにお願いするのもどうかと思うけど、どうしても時間がない」
『わ、わかりました。私でよければ、それは全然。でも、実際なにをすれば……?』
ありがとう、助かるよと言って、沙織さんは頬を緩めて息をついた。
「なにってわけじゃないけど。私の話し相手になってほしい。初めて話す女子高生で、なおかつ漫画家の卵。対談してもらえたら、そこからなにか閃きそうだから」
『対談』
なるほど。自分と感性の違う相手と話すことは、確かに実になりそうだ。そしてこれは、私自身にも言えること。自分の漫画のどこが駄目かをわかっていないのだから、私にとってもメリットがあるはず。
私は沙織さんのそばにしゃがみ込み、暫し彼女と話すことにした。
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