牧野 沙織 2

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「ただの数字の羅列なんですけど。たまたま見るデジタル時計の数字とか、車のナンバープレートとか。あとレシートに出た合計金額とか。111とか777とか、誕生日の数字だったりすると天使からメッセージをもらっているそうなんです。私の誕生日は5月12日なので、512の並びにはいつも反応しちゃって』 「そう、なんだ……?」 『はい。と言っても、エンジェル数字は占いの類いなので、信じる信じないはあると思いますけど……一応ネットで検索したら出てきますよ?』  試しにGo!gleに繋ぎ、検索してみる。読みやすそうな色合いでまとめられた記事を開き、上からスクロールしながら目を通した。  エンジェル数字か、と呟き、ノートにメモを取った。夢のある話、も付け加える。  願いを叶える  エンジェル数字  夢のある話  三行に記した文字列を見つめ、何か閃きそうな気がした。「ねぇ、ミハルちゃん」と私はまた話しかける。 「さっき言った願いごとをする迷信なんだけど。たとえば……たとえばだよ?」  それまでパソコン画面を見つめていたミハルちゃんが、フッと私に目を向ける。 「年に一度の誕生日に、バースデーのエンジェル数字を見ながら願いごとをして、それが叶うとしたら。そういう設定で漫画を描いたら面白そうじゃない?」 『……ファンタジー、ですね?』
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