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専門的すぎて内容が全く入ってこない。が、花純さんの情熱だけは伝わった。漫画について語らせたら一時間でも二時間でも喋っていそうな勢いがある。
しかし上手い絵だなぁと思い、広げられた原稿用紙をしげしげと眺めていると、「あ」と言って花純さんが片付け始めた。
「お子様は読んじゃダメ。刺激が強すぎるわ」
『……はぁ』
刺激って。一体どんな内容を描いているんだ? 官能か? ドヤ顔で大人ぶる彼女を見て、ついフッと吹き出してしまった。
『アハハッ』
声を上げて笑うと、花純さんはパァッと目を輝かせた。両手を合わせて「可愛い〜っ」と突然体をくねらせる。
「ね、ね? もっと笑ってよー?」
『……ハ?』
「ああんっ、もう! ぎゅって出来ないのが惜しいぐらい!」
言いながら彼女は僕に抱きつこうとして、空振りしている。彼女に言わせると、可愛いものは何でも抱きしめたいらしい。
この人は……。きっとオレより子供っぽい。
僕は彼女を見つめ、唖然とした。
ぎゅって……て。この背丈で抱きしめられたら、僕の頭は間違いなく花純さんの胸にダイブする。
いいのか? それで。
可愛いと言われて喜ぶべきかも分からない。なんか色々と、調子が狂う。
『花純さん。多分、天職だと思いますよ?』
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