2日目

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《5月27日午前10時10分ごろ、〇〇市内の県道で小学生男児が2tトラックにはねられ死亡した。亡くなったのは市内に住む(すめらぎ) 駿(しゅん)くん(7歳)。  頭部を強く打ちつけ、搬送先の病院で死亡が確認された。なお、警察は……》 「皇 駿くんだって……。市の名前も一致するし。この子じゃない? 名前見て、ピンとくる?」 『……う〜ん』  僕はやはり首を傾げた。分からない、というのが率直な感想だ。  七歳、という事は小学一年生、もしくは二年生だ。  僕はこの皇 駿という男児だったのだろうか?  花純さんは検索バナーに違う文字を打ち込み、記事の詳細を調べていた。 「駿くんは……市内で入院するお母さんに会いに行く所だったんだって。ねぇ、ゴウくん。ゴウくんは確かどこかに行く途中で事故に遭ったんだよね?」 『……はい』 「だったら一度この病院に行ってみる? 駿くんのお母さんの病室を突き止めて、その人の顔を見たら何か思い出すかもしれないよ?」  僕は花純さんの顔を見ながら、何と言うべきかを言い淀んだ。確かに、記憶が戻らないのは不安だし、このままずっと現世を漂う幽霊でいるのも嫌だ。
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