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死んだ僕がこのままそばにいると、花純さんに迷惑がかかるかもしれないし、何より彼女の健康面が心配だ。
霊体の僕の影響で、花純さんが体調を崩したらどうしよう?
できることなら、早く成仏したい。
『名前とか。全然分からないけど……一応、行ってみます』
望みは限りなく薄いと感じたが、そう答えていた。花純さんの思いやりと努力を無駄にするのも嫌だった。
花純さんは僕を見て、うん、と穏やかに笑った。
「それじゃあ行こう、土曜日に」
花純さんがスクッと立ち上がり、壁にかけたカレンダーに“市立病院へ行く”と予定を書き込んでいた。
ーード、クッ。
え……。なんだろう?
本来なら心臓があった左胸の奥が、ズキズキと痛い。
既に死んでいる霊体なのに痛みを感じるなんておかしい。僕は不安に眉を寄せながら心臓部をグッと手で押さえた。
言い知れぬ感情がこのときの僕を支配していた。僕はただそれを、呆然と受け入れることしかできなかった。
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