3、4日目

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 事の意外性に僕は頓狂な声をあげていた。 『うん。ぼくが死んだとき、一度おむかえに来たの』 『そ、そうなんだ?』  天使って。本当にいるんだな……?  天国とか天使というのは、人間の妄想が生み出した、ただの作り話だと思っていた。そしてその天使が、駿くんを迎えに来た……?  駿くんがまだ話したそうなので、黙って聞くことにする。 『そのお兄さんが言ってたんだけどさ? 糸をむりやり引きちぎろうとしたり、とサヨナラしようとしたら、それはちぢんで固くなるんだって』  駿くんは先程言った、“想いの糸”の話をしてくれた。 『縮んで固くなるって、鎖みたいに引っ張られるってこと?』 『うん、多分』 『それじゃあ、糸の相手と一緒にいようと思っていたら……この糸はどこまでも伸びるの?』 『……うーん? そこまでは分からないよ』 『そっか』  駿くんから聞いた“想いの糸”の話を思い返し、続けて尋ねた。 『その“想いの糸”なんだけどさ、キミはどういう状況で糸が切れたの?』  どういう、と呟き、駿くんは眉根を寄せる。 『分かんないけど……気付いたら切れてて。そのあと天使のお兄さんがパァッてあらわれたの。すごいんだよ?? まっしろのおっきな羽でキラキラしてるの!』 『……へぇ』  駿くんにとっては、その天使とやらが印象的で、よほど感銘を受けたらしい。
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