5日目以降

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 店先に現れたのは、制服姿の男女数名。彼らのうちの一人が、花純さんに声をかけた。男子高校生だ。 「すみません。見舞い用の花束を作って欲しいんですけど……」 「お見舞い、ですか。どういった感じにされますか? ご予算とか」  花純さんの言葉どおり高校生はめったに来ないので、僕は彼らとのやり取りをしげしげと眺めた。 「予算は三千円ぐらいで。あの、元気になって下さいって意味合いの花で作ってもらいたいんですけど。そういうの、できますか?」  躊躇いがちに話す男子に、花純さんはやんわりと微笑んだ。 「できますよ? お花を集めますので、少々お待ちくださいね?」 「はい」  花純さんは銀色の筒から各々の切り花を集めてひとまとめにし、「こういった感じでいかがでしょうか?」と白、赤、黄色の花々を高校生に見せていた。 「いいですね、ありがとうございます」  高校生は金額を確認し、それぞれが割り勘にして支払っていた。  花純さんが花束をラッピングして、注文をした男子に手渡した。途端、足元をふらつかせ、彼女が転びそうになる。慌てて手を出すが、虚しくも(くう)を切る。 高校生の彼が、すんでのところで花純さんを支えてくれた。花束は隣りにいる同級生に渡っていた。 「だ、大丈夫ですか、お姉さん。顔色悪いですよ?」
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