最終日

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《しょうがないなぁ。ボク、キミの担当じゃ無いんだけどなぁ〜……まぁ、迷子を保護した責任もあるし、仕方ないかぁ》  天使は腕を組んだままブツブツと独りごち、僕を気怠げに見つめた。 《あのねぇ……。キミはまだ完全に思い出せてないと思うけど、市ヶ谷 蓮くんっていうの。そこで眠ってる高校生ね。霊体の姿を確認できないのが残念だけど、もう子供の姿じゃないから》 『……えっ』  そう言われて、初めて自分の手足を確認した。確かに、子供の手足ではなくなっている。 《キミが事故に遭った夜、ボクは偶然、迷子の魂を見つけちゃったの。パトロール中のことだったんだけどさ、どうにも見過ごせなくて。あ、ちなみに魂って丸い炎みたいなやつね? 人間の姿じゃないから》  そうなんだ……。ていうか、その情報いるのか?  《……で。魂の所在を調べたら、市ヶ谷 蓮って分かったから一応死亡者リストも確認したのね? でも蓮くんの名前は載ってなかった。だから、ああ、幽体離脱しちゃったわけねって思って。キミの体のある場所を特定して連れて帰ろうとしたの》 『そ、それで?』 《思いっきり嫌がられた。こっちはわざわざ保護してあげてんのに、キミは断固としてあのマンションから離れようとしなかった。そうだよね?》 『……そう、なんですか……』  覚えてないけど。
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