最終日

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《キミはそう、あの花屋で働く女の子に会いたかったんだよね? 交差点で車に撥ねられる直前まで、彼女に告白しようって意気込んでたから。その意思の強さで魂が体から離れちゃったんだよ。  マズいなぁと思ったよ。生きてる魂が浮遊し続けたら、その分記憶も薄れていっちゃうし、元の体にも融合しにくくなる。でも、蓮くんがわがまま言うもんだからさぁ。とりあえずボクが女の子の部屋まで連れて行ったの。ひと目見たら、また体に戻るって約束してくれたから、まぁいっかーって思ってね》  だから俺はあのとき、花純さんの部屋に立っていた? 天使に連れていって貰って、彼女の部屋に。 《でもいざ行ってみたらさぁ。キミたちあっという間に“想いの糸”で繋がれちゃうし、キミは子供の姿に変わっちゃうし。結局ボクのことも自分のことも全部忘れてああなったの。  これでも色々と心配したんだよ? キミの魂を連れて帰りたくても、“想いの糸”で繋がれちゃったら、そのにはキミの姿が見えても、キミ自身は天使(ボクたち)の存在が見えなくなるから》  それは、つまり……。 『俺と糸で繋がれた花純さんには、俺の姿が見えるようになるけど。俺自身は霊体であっても天使が見えなくなる、そういうことですか?』 《……まぁ。そうだね?》  “想いの糸”にはそういう作用があるのか。
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