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《キミがそう望んだからでしょ?》
え………?
《さぁさ、良い子は体に戻る時間ですよ〜、死にたくなかったらさっさと還りましょう!》
早く早く、と背を押され、霊体の僕にさわれるんだ? とまた不思議に思う。
『あの、戻るってどうやれば?』
《自分の体と同じ体勢で重なればいいの。それでパパっと入れるから》
早口の天使はやはり焦っている。問題を早期に解決したいのだろう。
仕方なく僕は天使の言う通りにしようと思い、ベッドで横たわる蓮に足と腰を合わせて座った。
そういえば。花純さんに何も言わずに出てきちゃったけど……大丈夫かな?
でも戻ったら二の舞になりそうだしな、と考えを巡らせていると天使が今思い出したように言った。
《あ、そうそう。言い忘れたんだけどさぁ。戻ったら全部忘れちゃうから》
『は……?』
怪訝な瞳を向けると、天使は事もなげに続ける。
《ゴーストでいた頃の記憶、忘れちゃうから》
『えっ! それって……?』
《もちろん、ゴーストのキミといた彼女からも、“ゴウくん"の存在は綺麗さっぱり消えちゃうから、問題はないよ? んじゃまっ、そこんとこヨロシク〜?》
ヨロシク〜って。んな軽いノリで言われても。
今すぐ戻るべきなのか幾らか躊躇っていると、天使がニヤッと笑い、僕の気持ちを後押しした。
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