Re.0日目

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Re.0日目

 ◇ 告白までの日々 「おーい、蓮! おまえなに見てんの?」  親友の篠原(しのはら) (いつき)との帰り道のことだった。  それまで樹と昨日のバラエティー番組について話をしていたのだが、ついいつもの花屋が目に入り、黙り込んでしまった。樹が持論を展開させているにもかかわらず、お喋りはそっちのけで、ただ一心にを見つめてしまう。 「花屋? 花屋に何かあんの?」 「へっ!?」  不意に樹が僕の肩に手を置き、頓狂な声がもれた。 「べべべ、べつにっ?」 「くははっ、どもりすぎ、焦りすぎ。目ぇ泳いでるし」  樹は動揺する僕をからかい、呆気なく熱視線の理由を言い当てた。 「蓮が花屋のお姉さんにね〜?」  僕たちは再び帰路を辿った。話題はさっき見た花屋のお姉さん一択に絞られた。 「つか、どおりで他の誰にもなびかないと思ったよ。で、いつからだ?」 「えと。三週間ぐらい前、かな。……確かあのときは」 「えーっ、マジでかー? なんでなんで、きっかけとか?」 「なんでそんな食い気味なんだよ」  いつもサラッと受け流すのが樹スタイルなので、殊に興味を示されて若干気遅れしてしまう。 「きっかけは。一目惚れ、だと思う」 「はぁ!? えぇっ、蓮が?? しかもあんな遠目に見て一目惚れ?」
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