Re.0日目

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 花屋までの道のりを制服姿で歩き、橋の中ほどまで来たとき、ふと不安から足を止めた。  そういえば。連休だから、あの人が居ない可能性もあるんだよな?  連休中、彼氏とデートするお姉さんをつい思い描いてしまい、キリキリと胃が痛くなる。ここのところ、よく考えてしまうのだ。あんなに可愛いお姉さんなんだから、彼氏ぐらいいるんじゃないかって。  自分の気持ちに一生懸命になり過ぎて、今まではその至極単純な構図が思いつかなかった。  既に彼氏がいる人なら、たとえ僕のことを覚えてくれていたとしても、熱心な高校生で終わってしまう。このバラはあなたのためです、と想いを告げたりなんかしたら、電波な奴だとドン引きされるかもしれない。とにかく、ほとんど勝算なんてない。  お姉さんがフリーでいることを願うのみだが。  再び歩き出し、僕は花屋が見える距離へ差し掛かった。 「うわぁーいっ! お姉ちゃん、ありがと〜っ!」  店先でピョコピョコ飛び跳ねる少年のそばに、お姉さんの姿が見えた。今日も髪を二つ結びにくくり、可愛らしい笑みを浮かべている。赤いエプロンが本当によく似合っている。 「どういたしまして〜っ、ちゃんと落とさずに持って帰るんだよ? お母さんいつもありがとうって渡したら、きっと喜んでくれるねっ」 「うんっ!」
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