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コラ! それじゃ駄目だろ、俺っ! せっかく見舞いに来てくれたのに、何か言わないと! 仮にも告白する予定だったんだから、彼女に気に入られる言葉の一つや二つ……。
熱くなった顔であれこれ思案していると、彼女が「あの、」と静かに言った。
「そっちに座ってもいいですか?」
えっ。
僕は彼女を見て、こくりと頷いた。彼女は僕が今までに何度も見てきた柔らかな笑みで近付き、隅に置いていた丸椅子を引き寄せて座った。
すぐそばに、あの人がいる。花屋の、お姉さんが。僕はドギマギしながら、改めて彼女を見つめた。
どうして、お姉さんがいるんだろうと不思議に思ったが。少し考えて樹が気を回してくれたに違いないと思い当たった。
「昨日……」
「ぅえっ??」
ドキッと肩が揺れ、思わず変な声を出してしまう。ヤバいヤバいヤバい……! 変なやつだと思われる!
「蓮くんのお友達の、篠原くんが花屋さんに来てくれて。お見舞いのお花を買うついでに、蓮くんのことを教えてくれたの」
「そ、そうだったんですか」
やっぱり。
「お見舞いに行くこともお願いされて。それで、図々しくも来てしまいました」
「えっ? いや、そんな……」
ていうか、樹、そんなことまでお願いしたの? グッジョブすぎるだろ!
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