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え。もしかして、俺のこと??
何となく面映い気持ちに満たされた。彼女が僕を美化して、そんな風に想ってくれていたんだとしたら……正直いって嬉しい。
二人して赤面しているのも恥ずかしくて、僕は視線をふわふわと泳がせた。
すぐ隣りの棚に花瓶が一つ置いてあり、そこに生けられた三本の赤いバラに意識が向いた。ピンク色のかすみ草をバックに携えて、真紅の花びらを品よく広げている。
赤いバラ。これまで何度も見てきたその花に、なぜそう思ったのかは分からない。気付いたときには、僕は記憶に蘇る妙なワードをポソっと呟いていた。
「赤いバラの、王子さま」
………?
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