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「事故に遭った日の夜。俺と花純さんの意識は白い糸で繋がれたんです」
彼女は「え」と呟き、涙に濡れた目を上げた。
「白い、糸? 赤い糸じゃなくて?」
「ハハッ、そうです。白い糸。天使はそれを“想いの糸”と呼んでいました」
「……天使」
「そう。その糸で繋がれていたから、俺はずっとあなたと離れられずにいたし、元々霊感のない花純さんにもゴーストの俺が見えた」
花純さんは僕の言葉など、どこ吹く風であさっての方向を見て、顔をニヤつかせた。
天使と聞いて、またトリップしてるな?
彼女らしいなと思い、また頬を緩めたとき。ガラガラ、と病室の扉が無遠慮に開かれた。
「蓮くん、おはよーう! 寝過ぎて体鈍ってんじゃない??」
ハイテンションで現れたのは樹だ。まだ学校がある時間帯のはずだが、早退だろうか。
彼は僕と花純さんの間に漂う雰囲気を察して、頬を緩ませた。
「なに? 告白、うまくいったの?」
本人を目の前にして聞いてくるのが、樹スタイルだ。
僕は右手を上げて、彼にピースサインを送った。
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