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プロローグ
「今日も上手く描けてるね」
私の拙い絵をいつも通りに褒めてくれる神主さん。
あの大好きだった時間。
家の近くにあったその神社には、多分秘密がある、そのことに気付いたのはいつだったろう?
でもね、あの頃の私は、神社までの長い石階段を上ることさえ楽しみだった。
例えそれが禍々しい場所であったとしても、それがどれだけ私の支えになったことか。
厭世観、その時には知らなかった言葉だけど、大人になった私が見つけたその言葉の中に小学生の私は囚われていたんだと思う。
そんな私に居場所をくれた人が神主さん、あなたは一体何者だったの?
「いつでもいらっしゃい」
そう言ってくれたあなたの本当の姿なんてどうでもよかった。
神主さん、今でもあなたは私を覚えてくれてますか?
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