1-6 お出迎え

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 何せ花街は、この町で一番安全な場所かつ数少ない遊び場だから。  瑚灯は花街全体を守る役割を担っている。  警察のようなものだと。花街のあやかしも人間も全員、瑚灯を知り、敬っている。  理由は目上の人間だからというだけではない。  彼の功績(こうせき)――花街では瑚灯の目があるから、他の場所より犯罪行為がはびこらないのだ。  広い場所なのに瑚灯は、全てを見通して未然に防ぐ。  偉業(いぎょう)をこなしているから皆が尊敬(そんけい)している。  そして町の人は、安全で遊べる、  何よりあやかしと人間が、気兼ねなく遊べる花街が大好きで、ほとんどのあやかしと人間はやってくる。  逆を言えば、犯罪者からすれば花街は生きにくい場所で、犯罪者だけが避けている。  それだけで犯罪者とは決めつけられないが、女性への扱いを含めれば明らかだ。 「来た理由は、勧められたそうですが」  リスクを負ってまで来た問題は、今頃瑚灯が解決しているだろう。  茉莉花は女性の安否だけを気にしていればいい。 「貴女の境遇(きょうぐう)、祝い、奴隷扱いしているわりに、豪華な服装、花街を遠ざけていた事実から見えてくるのは」  近頃、人攫(ひとさら)いが起きている。  瑚灯が守る花街ではありえないので、茉莉花には実感はない。が、おそらく。 「あなたは――売られる身であった」  花街ではなく、別の場所に。  アレが駄目になったら。弁償。  大男の発言に苦いものがこみ上げた。  反吐が出るクズ野郎だ。
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