犯行

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犯行

あの日、私は何も疑わずに由紀子のオフィスを訪れた。 彼女が経営する美容室の一室で、私たちは最後の会話を交わした。 突然、背後から鈍い音がした。 痛みが頭に広がり、次の瞬間、視界が真っ暗になった。 振り返ると、そこには六条雅彦が立っていた。 彼は30歳、高身長で、端正な顔立ちの持ち主だった。 雅彦は由紀子の指示に従い、私を殺すために手を汚したのだ。 彼の目には、由紀子への狂った愛と同情が見え隠れしていた。 彼は母性を求めるが故に、由紀子に従っていたのだ。 私は絞殺され、息絶えた。
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