嫉妬

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嫉妬

愛子は美しく、誰もが羨む存在だった。 彼女の笑顔、彼女の魅力、その全てが私を狂わせた。 40歳の私には、失われた青春があった。 既婚でありながら、私の心は孤独と絶望に包まれていた。 夫との関係は冷え切り、家庭には安らぎなど存在しなかった。 そんな中で出会った愛子は、私にとって輝く星のようだった。 彼女の自由奔放な生き方、そして多くの人々に愛されるその姿が、私の心の傷を抉るようだった。 雅彦、彼は私の唯一の慰めだった。 彼の若さと情熱、そして母性を求める彼の心に、私は自身の孤独を埋めようとしていた。 しかし、雅彦の心が次第に愛子へと向かっていることを感じた時、私は狂気に陥った。 愛子が彼の心を奪うことは、私には耐えられないことだった。 彼女を消さなければ、私の心の平穏は訪れないと確信したのだ。
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