死体解体

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死体解体

愛子の息絶えた身体を前に、私は狂気の中で彼女を解体する作業に取りかかった。 冷たい鋭利な刃物が彼女の肌に触れるたび、私は内なる怒りと憎悪を感じた。 切り刻むたびに、私の心はますます深い闇に引き込まれていった。 「これで終わりよ、愛子。もう二度と雅彦を奪うことはできないわ。」 血が浴室に広がり鉄の匂いが充満する中、私は作業を続けた。 愛子の美しい顔が、次第に形を失っていくのを見つめながら、私の心は激しく揺れ動いた。 満足感、悲しみ、憎しみ、そして後悔。 それらの感情が渦巻く中、私は狂気の淵に立たされていた。 「雅彦、これであなたは私のものよ。」 しかし、その言葉を口にするたびに、私の心には深い虚無感が広がっていった。 愛子を消したことで得られるはずだった安らぎは、どこにも見当たらなかった。 私の手は血に染まり、心もまた、取り返しのつかない闇に染まっていた。 月明かりが再び私を照らす頃、私はただ一人、冷たい床に座り込み、自分の行いを見つめ直していた。 復讐の炎は燃え尽きたが、その代わりに残ったのは、永遠に消えることのない罪の意識と後悔だけだった。
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