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そんなことを言われても、正直、俺にだって何が起きたのかよく分かっていない。
すると、俺の目の前に――先程までは無かったものがあることに気がついた。
丁度目線の高さに浮かぶ、四角いもの。
まるで、RPGのステータス画面の様なソレには「敵性存在確認:天津甕星起動中」と書かれていた。
しかも、その下には「音声認識機能発動 自動迎撃・防御システム展開中」とも記載されている。
この画面に書かれている天津甕星というのは、間違いなく俺の能力の名前だ。
(まさか……これが、俺の本当の力なのか……?)
と、画面の端で白い矢印の様なマークが光っていることに気がついた。
(きっと、これを押せってことだよな)
俺はマリアをそっと隣に寝かせると、その矢印に触れてみる。
すると、画面に自動で情報が記載され始めた。
「敵性存在解析完了 弱点:刃、炎」
「弱点、刃、炎……?」
(なんだ、これ……?)
俺は文章を読みながら小さく首を傾げる。
と、その言葉を聞いた瞬間、髪を操る少女が大きな声を上げて来た。
「刃……?!炎……?!何で、あんたが知って……?!」
「へ?」
(知ってるも何も、俺はこの画面に書いてある文を読んだだけなんだが……)
しかし、俺はそこで少女にはこの画面が見えていないことに気づく。
加えて、少女のあの慌てっぷり。
(もしや、この弱点って……あの女の子の弱点なんじゃ……?)
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