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俺は、念のため画面に書かれている文を読んでみた。
するとそこには、
「音声認識攻撃システム起動中」
とも書かれている。
(もしかして、さっきマリアを掴んでいた髪で出来た手を切り裂いたのは……俺が「切り裂いてくれ」と言ったのを、このシステム……天津甕星が認識したから……?)
だから、攻撃システムが起動して、俺が切り裂いてくれと言ったマリアを掴んでいたあの手を切り裂いたのではないか。
そんな予想を立てる俺。
俺は、その予想が合っているのか確かめる為、少女を真っ直ぐに見据え、ある言葉を口にする。
それは――。
「天津甕星。彼女の髪を全て切り裂け」
瞬間、何もない空間から巻き起こる突風。
風は鋭い刃となり、少女に襲いかかった。
「きゃぁぁ??!」
少女は長い髪を不可視の風の刃に切り裂かれ、堪らず甲高い悲鳴をあげる。
その姿を見て、俺は自分の能力を確信した。
(天津甕星は、天香香背男の神話と同じく……敵が一番嫌なもの……弱点を自動で解析して、攻撃できる様になる能力なんだ……!)
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