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俺の言葉に怪訝な表情を浮かべる昼也兄。
しかし、その怪訝な表情はすぐにバカにした様な笑みに変わり、俺の腹に拳をめり込ませて来る。
「天津甕星ってお前のクソスキルじゃん。何、お前。あの無力なクソスキルで俺に勝とうとか思ってるワケ?ああ、それか俺が怖すぎて頭がバグっちまったか?」
楽しそうにそう語りかけながら、元家族である俺にも容赦無く暴行を加えて来る昼也。
と、今にもブラックアウトしそうになる視界の端で、例の俺のステータス画面……その中に新しい表示が増えていることに気がついた。
「レベルアップ確認。防御術 身体岩化 取得」
(身体岩化……?ああ、そう言えば……香香背男は神話では、自分の肉体を岩にして、敵を阻もうとしたんだっけ……)
ということは――神話と文字の通りなら、俺の肉体が岩になるということだろうか。
(戻れなかったらすごく困るな……)
だが、だからと言って弱点の解析が終わるまで、このまま昼也の暴行を受け続けていたら俺の肉体はもたないだろう。
そうなればマリーは確実に殺されるだろうし…何より、家を裏切り家について来た、マリアだってどんな目に遭わされるかわかったもんじゃない。
(仕方ない……ええいままよ!)
「身体岩化、発動!!」
俺は大きな声を絞り出して身体岩化を発動させた。
同時に、昼也兄が大きく鎌を振りかぶり、俺の背中に向けて振り下ろして来る。
「ワケわかんねぇことばっかほざいてんじゃねぇよ!!!無能なクズは無様に死にやがれ!!!!」
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