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そうして、食後――俺達は早速、鑑定の館へと出発する。
鑑定の場に向かうのは全部で8人。
俺と父、それに5人の兄達とお付きのマリアだ。
お抱えの運転手が運転する黒塗りのリムジンに揺られ、鑑定の館へと向かう俺たち。
道中、緊張して口数が少なくなっていた俺を見かねてか、マリアが優しく声をかけてくれた。
「大丈夫ですよ。晴人様は、毎日厳しい鍛錬をされていらっしゃいますもの。きっと、素晴らしいスキルが貰えるに決まっています」
「……そうかな?」
「はい、きっと」
柔らかく微笑むマリア。
その春の木漏れ日の様な笑顔に励まされ、俺の心は少しずつ平静を取り戻して行った。
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