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そして、車を走らせること約1時間。
俺達を乗せた車は、国会議事堂の前に到着していた。
俺は、兄達の鑑定の際、何度も一緒に来たから知っているが……実はここの地下4階に、鑑定の館があるのだ。
俺達は父を先頭に国会議事堂の中へと入っていく。
そうして、エレベーターに乗り、「ある決められた順番」で機内の階数のボタンを押す父。
すると、本来は有り得ない筈の地下4階と言う表記がエレベーター上部の行き先パネルに表示されるのだ。
その後、エレベーターでひたすら地下に降ること数分。
俺達を乗せたエレベーターが地下4階に到着する。
扉が開くとそこには――大きな鳥居があり、奥には広くて深い池と朱塗りの神橋、それに小さな神社が見えた。
あの神社こそが、スキル鑑定の館なのだ。
だが、本殿の中に入る前にまず、拝殿にて手を合わせ、この神社を統べる神――常世思金神に参拝をする俺達。
常世思金神とは、神を選定した神のことだ。
その為、スキルの選別もこの神の能力を持つ巫女が行なっているらしい。
すると、本殿の方から、
「杉沢家の末弟か。入ると良い」
と、幼い女の子の声がする。
(兄さん達の時と全く同じだ)
この声に導かれ、入った本殿の中でスキルを鑑定され、その名を告げられるのである。
俺はドキドキしながら、家族やマリアと本殿の中に足を踏み入れた。
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