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「我々は、すぐに江戸に戻ることになりました。横浜でエゲレス相手に戦をするのです」
「どういうことだ?」
近藤が驚いた顔で問いかける。
「さきほど近藤先生を出迎えるために門の外で待っていた時、清河さんの使者の方がいらして報告を受けたんです。現在、エゲレスの艦隊が横浜港に続々と集結しており、それを撃退すべく攘夷を実行せよとの勅命が下ったそうです。大樹公が到着次第、横浜へ向かって進軍することになります」
うおおぉぉぉぉ、とうねるような気勢が室内に上がった。
「ついに攘夷決行か!」
「はい。だから京都弁は覚えなくていいんです」
すると永倉が不満そうに立ち上がった。
「まぁ、そないなこと言うて、いけずやわぁ、沖田はん」
身体をくねらせ、女性のような仕草で情感たっぷりに言ったものだから、どっと笑いが湧き起こった。
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