眠気

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ひとり分しかないコーヒーは違和感の塊だ。 「昨日の夜は何をしてたの?」 「え? な、なにが?」 雪菜の質問に声が裏返る。 必死になんでもない様子を装ってみるけれど、緊張で不自然になってしまう。 「ごとごと音がしてたけど?」 荷造りの音が聞こえてしまっていたみたいだ。 高級マンションだからといって油断していた。 私は昨日の自分を殴りつけた気持ちになる。 「別になにも。ちょっと片付けをしてただけだよ」 「へぇ?」 雪菜がグルリと部屋の中を見回す。 客間を貸してもらっている私の部屋には、片付けるほど物がない。 それを指摘されるかもしれないと思ったが、雪菜はなにも言わなかった。
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