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後は、雪菜に先に部屋を出てもらって、私は後から荷物を持って出ればいいだけだった。
朝ごはんは食べない。
とてもじゃないけれど、食べられない。
「本当に面接に行くの?」
出かける準備を終えたとき、雪菜が声を掛けてきた。
「うん。行くよ」
「そう……」
目を伏せた雪菜の長いまつげ。
それが微かに震えている。
「雪菜はもう出なきゃ遅刻しちゃうよ?」
いくら学校までの距離が近くても、ダラダラしている暇はない。
私としては一秒でも早く雪菜に出ていってもらいたかった。
「う~ん、なんだか昨日から熱っぽいんだよね」
「え?」
「今日は休もうかな」
嘘でしょ。
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