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門への道
そこは、真っ白で何もない空間。
けれども、遥か向こうに門が見える。
巨大な石柱が2本――それが、何故か見ただけで門と分かった。
小夜の腕の中で、クロが身じろぐ。
半ば呆然としていた小夜は、ハッと我に返り慌ててクロの状態を確認するが、特に変わりはないみたいだ。
この異常事態では喜ばしいが、依然としてこの事態は続いている。
「ここは、どこ? 何なの? どうしよう……クロ」
心細そうな小夜の声を受けて、クロは慰めるようにペロッと小夜の頬を舐め、門の方向へ歩み始める。
クンッと引かれたリードに引きづられるように立ち上がり、クロと共に歩き始める小夜。
(周り全てが真っ白で、気が狂いそう……クロと一緒で良かった。ここで、唯一の建造物らしい門を目指すのは、きっと理に適ってる筈)
どれくらいの時が経ったのだろうか。
寄り添って進む2つの影は、ついに石柱に辿り着き、その門をくぐり抜けた。
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